宍道湖と中海の魚たち

 

「宍道湖と中海の魚たち」 中村幹雄 監修 日本シジミ研究所 編

「宍道湖と中海の魚たち」 中村幹雄 監修 日本シジミ研究所 編
 
宍道湖と中海の魚たち
宍道湖と中海の魚たち
 宍道湖と中海に生息する魚介類全161種を、美しい写真と分かりやすい解説で紹介しました。宍道湖と中海に生息する魚介類ならこの本一冊で調べることができる貴重な本です。
本書の大きな特徴は、その美しい写真です。日本シジミ研究所の調査で得られた161種の魚介類を生きた状態で撮影しました。写真は宍道湖・中海で採取された魚介類を5年間かけ撮影し、厳選したものを使用しています。
また内容は種ごとに形態、生態、地方での利用等を分かりやすく解説し、理解が深まるようにしています。
宍道湖・中海を知るために、まずは読んでいただきたい本です。

<まえがき>


 宍道湖・中海はわが国の代表的な汽水湖です。汽水湖とは、川からの淡水と海からの海水が混じりあった湖のことです。
 宍道湖はわが国の内水面、河川湖沼の中では際立って漁獲量の多い、低塩分性汽水湖で、中海は各種開発行為によって環境が傷ついてしまいましたが、かつては宍道湖以上の漁獲量を誇った、高塩分性の汽水湖です。
 宍道湖・中海にヤマトシジミやシラウオ、ワカサギ、スズキ、マハゼ、サルボウガイ(赤貝)、ヨシエビ、ヒイラギ(エノハ)など、淡水性、回遊性、汽水性、海産性の多種多様な魚が生息できるのは、両湖が汽水湖だからです。
 汽水湖の大きな特徴の1つは、魚介類の生産力が豊かで、漁業も盛んで、私たちに大きな恵みを与えてくれることです。その反面、湖水の富栄養化、湖底のヘドロ化、底層水の貧酸素化を引き起こしやすく、魚介類の生息場所減少や漁業資源の大量へい死などを招くこともあります。
 もう1つの特徴は、環境変化が大きく、生態系が傷つきやすいことです。宍道湖・中海は、気象条件により水温、塩分、溶存酸素量などの環境が、河川や海洋とは比較にならないほど大きく変化します。
 元来、汽水湖の生態系は非常に繊細でさり、小規模の開発工事であっても大きな傷を受けてしまいます。しかるに宍道湖・中海においては30年間にわたて水利用と農地造成を目的として、干拓・淡水化工事が進められてきました(中海・宍道湖干拓・淡水化事業)。その間、この貴重な生態系は大きく損傷しました。工事が計画通りに完成すれば、この貴重な汽水湖の生態系は淡水生態系へと大転換するはずでしたが、完成を目前にした平成12年(2000)に諸般の事情で目的を達成することなく全面的に中止となりました。これによって汽水湖生態系が存続することになり、ヤマトシジミやシラウオなど貴重な汽水性の魚たちが消滅する危機は、かろうじて免れました。
 この宍道湖・中海の自然環境は大変貴重なものであるということが世界的にも認められ、平成17年に「ラムサール条約」に登録されました。
 私たちはこの登録を機に、傷ついた宍道湖・中海の自然環境を修復・復元し、併せてサルボウガイをはじめとした多くの魚介類がよみがえるよう努めなければならないと思います。そんな思いから私は、本書を日本シジミ研究所の研究員と共に出版することにしました。
 私たちの研究所では数年前から毎月、宍道湖・中海の多くの定置網、刺網、カゴ、されに潜水による調査を続け、何千尾もの魚たちを調べています。そして、その結果を基にそこにはどんな魚が棲んでいるのか、その魚の名前は何か、形態的特徴は何か、どのように分布・回遊しているのか、何を食べているのか、どのように子供を産んで育てているのか、どのように漁獲されるのか、そしてどのように料理すればその魚が美味しく食べられるのか、についてできるだけ平易に、分かりやすくまとめました。
 本書によって、1人でも多くの人が宍道湖・中海の魚たちに親しみを持ち、両湖の環境保全、復元そして漁業振興について考えを深めていただけるなら望外の喜びです。

日本シジミ研究所

所長 中村 幹雄

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